日曜日のオープンハウスで見に行った物件は、Webサイトで情報を得た時から「買うぞ」と腹を決めてた物件だった。すでに頭の中でもリノベーション計画が始動していた。

どういった物件だったかというと、ワイキキのコンドミニアムで、2ベッドルームに2バスルーム。

広さは980スクエアフィート以上。2パーキング。洗濯・乾燥機付き。月の管理費は600ドル以下。

内装は古かったけど、どうせリノベーションをするので問題なかった。値段はかなり高かったけど、将来的にみても価値はあるだろうから問題なかった。

なにより、旦那がこの物件購入には乗り気になってくれてた。よし、買えるぞと思った。

オープンハウスは昼の2時からだったので、2時ジャストに私たちは胸を高鳴らせて行った。

部屋では不動産屋が待機しており、何か質問があれば答えてくれた。

旦那が知りたいことを色々と聞いてる間に、私は部屋の中を見て回った。部屋はサイトに載ってた綺麗な写真から受けた印象そのままで、とても素晴らしいものだった。広くて明るくて風通しも良くて、内装が古くともオーナーが丁寧に住んでたようで、傷みが少なく清潔さが保たれていた。

パーフェクト、とは言えないが、それに近いぐらいのものだった。絶対に手に入れたかった。

私たちは家に帰るとさっそく専属エージェントとなったカナディアンの美しい彼女に連絡を取った。

「あのコンドを買いたいのでオファーを入れてください。」

するとここからが大変だった。まあ大変だったのは旦那だが。

オファーには、銀行に用意してもらう書類(ローンが組めるという保証をしてもらったもの)、手付金の額や頭金の額を書いた書類、そしてオファー金額を書いた書類などを揃えて出さなければいけないのだが、これには締め切りがある。

その締め切りというのが、大体どの物件もそうだがオープンハウスをやった翌日、月曜日を締め切りとするのだ。

この時そんな事を知らなかった私たちは慌てた。

しかもこの物件はかなりの人気で、オファーもたくさん入ってて月曜の昼12時にはもう締め切るということだった。

私たちはエージェントと相談した。間に合わないかもしれないが今後の勉強になるからやれるだけやってみようということにした。

とりあえず、どうしてもオファーを出したいので締め切り時間を少し伸ばしてくれと売主側のエージェントに頼んだ。OKは出た。昼の2時まで待ってくれることになった。

月曜日の朝、旦那は一旦仕事に行って昼近くに戻ってきた。そしてオファーに必要な書類を出すために、細かい字で書かれた大量の書類をパソコンでチェックし始めた(全てオンラインでやる)。

銀行のブローカーと何度も何度も電話でやり取りをしていた。

時間との戦いだった。

時折パソコンの動きがもたついたりすると、「ああもうっっ!」とわめいたりしてた。マウスをガンガンとテーブルの上に打ち付けて怒り散らしてることもしばしば。

私は背後で時計を気にしながら、それらを見ていただけだった。ドキドキした。

そして締め切り時間の20分前になってようやく全ての書類を揃い終えた。あとは契約書にサインをしたら提出してフィニッシュとなった。

が、最後に我々の美しいカナディアンのエージェントから、契約に関する内容の説明を電話で聞かされることになった。

この説明がなかなか長くて終わらない。きっちり話さないといけない決まりらしく、彼女も途中で絶対に終わらせない。締め切りまであと残り5分しかないよ?と言っても「オウイエー」と返事するだけで終わらせない。

もう2分前だよ?と伝えても「ザッツライト」と言って終わらせない。焦れったかった。ヤキモキした。

2時2分過ぎ。

過ぎてる過ぎてる!と心配したが、これが意外と大丈夫なようでオファーはちゃんと受理されたと言っていた。今はオンラインでパパッと出来るから便利よねーとのことだった。そ、そうだね・・・。

にしても、これはかなりのスリルだった。今でも忘れられない出来事だ。ついでに言うが彼女は本当に美しい。

で、結論を言う。

オファーは通らなかった。

哀しいことに買えなかった。

キャッシュバイヤーが居たからだ。

私たちのオファー金額は売主が提示していた額よりかなり上乗せしたもので、もしかしたら他のバイヤーたちに勝てるかもしれないと言われてたが、キャッシュバイヤーが現れたらそれは勝てないとは言われていた。

ちなみにキャッシュバイヤーとは、現金で一括ドンと支払いをするツワモノのことだ。

しかしそのキャッシュバイヤーと売主との間で、今後もしかしたら交渉が決裂する可能性もあるので、一応私たちのオファーはそのままリストに残しておくようしてもらった。よく分からないがそういう事は出来るらしい。決裂したら次は私たちに交渉のチャンスが与えられるという塩梅だそうだ。

でもはっきり言ってそんなん期待して待ってるわけにはいかないので、さっさと次を探した私たちだった。

そういえば結局この物件には11件のオファーがあったそうだ。まあそれだけ良い物件だったという事だ。

いやー、夢を見たなー。儚い夢だったなー。