小さな夫婦喧嘩を増やす原因となった2つの物件

現金を多く持ってない私たちは、どう考えても競争に勝てない。だったらどうするか。

人気のない売れ残ってる物件を狙っていくに決まってるだろう。

頭金を貯めてから出直すなんて考えは、この私が持つわけないじゃない。はっはっは。

旦那は出直す派かな?

というわけで、私は目を皿にして不動産情報をチェックし、売りに出されてから日数の経ってる物件をピックアップしていった。数はいうほど無かった。限られていた。

その中で、私たちが望む最低条件をクリアしてる物件を選び、「とりあえず見せて」とエージェントに連絡して片っ端から内覧して行った。

そうそう、これは余計な話なんだけど、この物件の内覧で毎日のようにエージェントに会ってたら、会うたびに彼女の美しい顔に吹き出物がどんどん増えていってたのが気になった。お疲れなのかなーと心配になってた。

 

12月2日、金曜日。

この日は2件のコンドミニアムを内覧した。

1件目はオーナーがまだ住んでおり、自ら部屋の案内をしてくれたのだが、その案内の仕方がそれはそれは丁寧で。

「駐車場はここで、プールはここにあって、ゴミのシューターはこっちだよ」と細かい所まで見せてくれて、付いて歩くのが面倒臭かったくらいだ。

しかしその丁寧さが、暗に私たちに買ってくれと言ってきてるようで、そこはかとなく購買意欲を高まらせてきた。

現に私たちのエージェントに向かって、「早く売りたいんだ」とぽそっと言ってきた。

がしかし、部屋が汚かった。まあ知ってたけど。

ネットに掲載してた部屋の写真が物で散らかってたから分かってた。でもまさかそのまんまだとは。

きっとなんでも使ったら使いっぱなし、出したら出しっぱなし、というような生活をしてるんだろうなと感じた。

オーナーは、ヒョロッとやせ細ってて顔が青白く、声も蚊の鳴くような音量しか出さない人で、「なんか患ってそうだし、男やもめで暮らしてるからこんな汚いのかな?」と思ったりもしたが違う。妻と娘の3人で暮らしてると言う。

ああどうしたらこんな汚い状態で我慢できるのかと理解に苦しんだが、それは人様の家庭の事だし関係ないか。

いやしかし売る気があるなら、どうして汚いままの部屋で見せてくるのか。少しは掃除しておこうと思わないのか。そういうの気にしない国民性なのか(外国の方)。

まあでも、売れ残ってたのは多分この部屋の汚さにもあるんだろうから、ラッキーと思うべきなのかなと。

私は、この部屋は住んでる人が汚くしてるだけで、綺麗にすれば問題ないと思った。

部屋自体は前のオーナーによって6年前にリノベーションされてて、キッチンや床のタイルなど比較的新しいし。ビューもちゃんとダイアモンドヘッドが見える。広さも結構ある。洗濯機・乾燥機はついてるし。管理費も高くはない。

何より、これは同じコンドの他の部屋の写真を見て分かった事だけど、リノベーションが割と自由に出来るようで、そのリノーション次第でとても良い物件に化ける。

私はこの部屋のポテンシャルの高さを見出した。

だいたいオーナーは早く売りたがってるし。他にオファーも入ってないようだから安く買い叩けるかもしれないし。

なのに旦那は・・・。

 

旦那は2件目に見た物件を気に入った。場所はワイキキに程よく近くて静か。部屋は明るくて綺麗。

でも狭かった。今住んでるところよりだいぶ狭くて、全部の荷物が入らないと思われた。

あと、明るいのは確かにいいけど陽が当たりすぎて暑かった。日中ずっと家にいる私には地獄だと思った。

それとバスタブが無かった。シャワーのみ。

バスタブが無いと嫌だと前々から言ってた旦那だったから、ここは気に入らないだろうと思ってた。

ところが気に入ったと言い出した。1件目の物件より良いと言いだした。オファーを出すかどうするか連絡するとエージェントに話し出した。

え?本気で?嘘でしょ?と私は焦った。

夕方の4時なのに陽がさんさんと当たり、じっとり汗ばむ暑い部屋。

その部屋の真ん中に立った私は、「こんなに暑いのにどうしてっ!!」と両手をわなわなさせて力いっぱい否定した。

エージェントは日本語がわからないので口を開けてポカン。

「1件目の物件でいいやんか!何がいかんが?」と私は旦那に詰め寄った。

困った旦那はエージェントに「どっちの物件がいいと思う?」と聞いた。

エージェントは、「そうね、1件目が私もポテンシャルが高いと思うわ」と言った。

ほーらね、そうでしょー。

というわけで1件目に見た物件に、3回目のオファーを出すこととなった。

が、これが後々旦那との喧嘩を増やす原因とさせたのであった。まあ当然と言えば当然か。