はじめてのカウンターオファー戦

3回目のオファーは、オーナーが早く売りたがっていた事、修繕なしの現状引き渡しだった事、部屋が汚かった事、そして旦那が気に入ってないなどを考慮して、向こうが希望する売り値より3万7千ドルも下げた額で出してみた。

まあ交渉で最終的に2万〜3万ドル安く買えたらいいなと思って(今考えるとこれはかなり無謀で失礼な額である。が、その時の私達は無知だったから仕方ない)。

返答はすぐ翌日に来た。1万1千ドルの値引き額で来た。

さてじゃあこちらは幾らで出そうかと考えていたら、その最初の返答から数時間後に、プラス5千ドル、トータル1万6千ドルの値引き額を提示して来て、

「もう交渉はしない、これが最後」といきなり言って来たのだ。

*これらのやり取りは全てお互いのエージェントを通して行われます。

「は?」だった。

交渉もさせないでこれが最後って、なに言ってるんだ・・・

誰も買わない汚い部屋なのに、長い間売れ残ってるくせに、どんだけ強気なんだ。

と旦那と二人でかなり腹を立てた。
しかも「明後日、人が見に来るからすぐに返事して」と言うのだ。

はい?

なぜ今このタイミングで人が見に来る?

なにその都合の良さ

すごいなあ

これかー

これが交渉術というもんかー

ひえーー

と呆れたやら感心したやら。

で、一応冷静に計算してみたら(近隣のコンドや同じコンドの最近の売値、不動産情報サイトで算出されてる推定価格など色々と見る)、真っ当な金額を出しては来ていた。鑑定で評価額もそれくらいは出るだろうと予想される。

まあ向こうも私たちが早く物件を欲しがってる事を見透かしてるわな。ふふん。

いいよ、その言い値で買ってやるよ。ただし、評価額が低かった場合は再交渉ね(だってローン下りないもん)。

と条件を付けて私たちは返答した。

金額についてはこれで話がまとまった。

あとは細かい条件の交渉に入った。

これがすんなりとはいかなかった。何回も交渉を重ねた。

吹き出物がめっきり増えてた私たちの美しいエージェントが、「こんなに何回も交渉したのは初めてだわ」と言ってた。

実はこの時、彼女はバケーションでカナダに帰っていた。ホリデーシーズンだし夫や子供と帰っていたのだ。でも仕事はしっかりとしてくれた。私たちの問い合わせに対するレスポンスも早く、遠く離れていても密に連絡を取り合って交渉を進めることが出来ていた。

ところがだ、オーナー側のエージェントときたら、自分のバケーションに合わせて全ての日程調整をしようとしていたのだ。なんて自己中心なんだ。

たとえば、銀行からローンの承認が無事に下りたらそれらは書面でオーナー側に提出されるのだが、その提出日とか。あとクロージング*の日も自分の都合のいい日に調整しようとしていた。

*クロージングとは物件の名義変更が終わって引き渡される日の事。

最初私たちはオーナーがバケーションで居なくなるから日程調整をしてくるんだと思ってた。だからなんとか合わせようとはした。

でも、ここまで来るのに様々な条件を呑んでおり、これ以上向こうの言う通りにしてしまうと不利なこともあったので、多少こちらの都合も出していった。

それで何度か日程の交渉が続いてしまい、あまりにも決まらないので「一体オーナーはいつ旅行に行っていつ帰ってくるんだ?はっきり教えてくれよ!」と向こうのエージェントに聞いたら、

実はエージェント自身がバケーションに入ると。

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バケーションで居なくなるから、書類とか用意できなくなるしって。

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フザケンナと思った。

心底憎らしくなったくらい頭にきた。

絶対お前の都合には合わさん!オーナーを出せオーナーを!

と、ガラの悪い輩になってしまいそうな勢いだった。

で結局どうなったか。

「バケーションで不在の間は代理のエージェントを立てます」と向こうのエージェントが折れてきた。

オファーがまとまった。

 

つい先日、ホームインスペクション(物件の室内検査)があったのでこのエージェントと会う機会があった。

バケーションでは日本へ遊びに行くと言ってた。日本で遊んだあと自分の国に帰省するんだと。「日本は寒いの?楽しみだわ」とか言ってた。

どの口が言うんだこの口かこの口か、と脳内で彼女の口の端をひねくり倒してやった。